初心者の方や初めて設計計算される方の殆どの方は、過去の計算書を見てみると「何計算してるんだろう」というと思います。昔はデーターブックや専門書を読んで確認していましたが、今の方達はGoogleなどの検索サイトを使って確認していると思います。
私も、いろんなサイトを覗かせていただきました。当然のごとく、私が知らないことも多く、かなり勉強させていただきました。ある方はすごく細かく計算されている方もいれば、浅く広く計算されている方もいました。
実際、私も新入社員で入って言われたのが、
先輩:「この部品が生産中止になるので、こっちの部品で大丈夫か確認しといてくれる?設計計算書これあるから見といて!」
私:「はい。分かりました。(とは言ったものの…中身見ても…分からない。)」
という状態でした。もっと最悪だったのが、
私:「先輩!。これって何のために計算してるんですか?」
先輩:「ん。あぁ、私より前に居た人がやったやつだから、わからんなぁ。」
私:「(そんな仕事を新入社員にやらせるなよ~。ヽ(`Д´)ノ)」
丸投げ先輩からのお仕事でした。
この計算書、回路図は張り付けてあるものの、説明の文章の記載が少なく「すなわち」とか「よって」ばかりでした。特性グラフも張り付けてあるのですが、どこから持ってきたものなの?どの値つかってるの?など、計算する前に記載内容の調査するところから始まりました。
おかげ様?で、長い時間をかけて計算するための材料が揃いました。やっと着手することが可能です。材料は揃いました、次は計算内容です。その部品の何を計算しているんだろう?この計算なんの確認しているんだろうと一つの式で数時間悩むこともありました。
計算結果も問題ない値となり、部品サイズも同等品であるためそのまま置き換え可能でした!長い間仕事をしていると分かるのですが、今思うとデータシートのある個所を見るとすぐに「使えそう!」って分かるようになります。
これをきっかけに、代替え部品の検討や選んだ部品の計算を任されるようになり、後には製品の設計をさせて頂くことになりました。今思えば、丸投げされてたのもよかったと思っています。
ここから記載していく記事は、私の個人的な体験や経験であり、これが正解ではありません。各企業で色々やり方があり、すべての方にあてはまるものではありません。しかし、分かるようになるための第一歩としてこのサイトで学んでいただければ幸いです。
設計計算で必要な資料は?
必要な資料は、あれば以下の3点と思っています。
- 仕様書:顧客からその製品設計に関する要求仕様書。
- 設計基準書:会社で定めている各設計に関する基準書
- 全部品のデータシート:負荷を含め使用する部品のデータ
設計基準書については、各部署や分野ごとに決められているところもあります。また、製品ごとに定めているところもあります。そんなの見たこと無いという方もあると思います。
その他、特別な計算に必要な資料はメーカーに確認して入手することになります。
設計計算をするためのツールは?
- 表計算ソフト(EXCELやスプレッドシート)
- 計算式(オームの法則、電力など)
表計算ソフトさえあれば設計計算は十分にできます。昔であれば、電卓・方眼用紙などでグラフを作成していましたが、今は表計算ソフトであれば簡単に?作成できます。後は何を計算するかによりますが基本的には中学校の理科で習う範囲が基本となります。
何を計算するのか?
基本的には、各部品のデータシートに記載されている最大定格を超えて使用していないか?または、設計基準に定められているディレーティング(負荷軽減率)以下で使用しているか?仕様書で記載されている動作範囲(例として電圧が6V~12Vまで変動)内で問題なく動作するか?など問題ないことを確認していきます。これらは、設計的に問題ないかの確認となります。
また、各製品は世の中に出るまでにいくつかの評価試験(環境、電気、機械)が行われます。この試験を満足するために保護素子の搭載もあります。この、保護素子についても計算する場合があります。
今後の記事では、具体的な計算などを記載していきます。