電子回路設計者が持っていたい資格試験・検定試験

 電子回路の設計には資格は必要ありません。しかし、就職や転職の際には自身のレベルがどの程度あるのかをアピールできる内容の1つとなります。

資格試験と検定試験の違い

  • 資格試験
     その仕事を従事することが認められているか、否かを示すものです。 資格を取得していれば作業などを行ってよく、取得していなければ作業をしてはいけません。 例えば「運転免許」や「電気工事士」などがわかりやすいとおもいます。
  • 検定試験
     専門的な知識や技能レベル(程度)が認定されます。「TOEIC」や「簿記」などがあります。

試験の種類

 試験には、国家試験・民間試験などの種類が存在します。

国家試験とは

 国家試験(こっかしけん)とは、国から一定の「資格」があることを認められ、その結果として「免許」を与えるために、国の機関が管理して行う試験です。試験は国または地方公共団体、あるいはそれらの委託を受けた団体が行います。試験に合格していない者や、または免許を保持せずに、業務や作業・取扱い等などを行うことは禁止されています。すなわち、合格者は法律によって職業上の地位が保証され、その資格がなければ職業を営むことができないため、社会的信用度は高いといえます。

民間試験(検定試験)とは

 民間資格(みんかんしけん)とは、民間団体や企業などが独自の審査基準を設けて試験を行い、任意で認定する資格。民間団体や企業によっては国家・公的資格と同様に高い知識や技能を必要とする資格や、その内容が広く認知されている資格直接職種・職業に結びつく資格もあります。認知されている信用度、価値のレベルが高いほど資格取得が困難になります。

電子回路設計者にお勧めの資格・検定試験

国家試験

工事担任者(ネットワーク接続技術者)

難易度:普通~簡単
種類:国家試験(総務省関係、電子通信事業法)

願書受付期間:2月~3月上旬、8~9月上旬
試験日程:5月下旬、11月下旬
試験実施地:全国主要都市(36地区)

等級:AI・DD総合種
   AI第一種、AI第二種、AI第三種「アナログ伝送路」
   DD第一種、DD第二種、DD第三種「デジタル伝送路」

※令和3年4月1日から工事担任者試験が変更されます。

改定前 改定後
AI・DD総合種 総合通信
AI第一種 第一級アナログ通信
AI第二種 廃止
AI第三種 第二級アナログ通信
DD第一種 第一級デジタル通信
DD第二種 廃止
DD第三種 第二級デジタル通信

令和3年4月1日から工事担任者試験が変更されますにまとめましたので、一読してください。

試験詳細は、R3.4.1 工事担任者試験改定を参照願います。

受験資格:不問

申請方法:申請書による申請とインターネットによる申請
試験手数料:8,700円(1試験種別当たり)

合格率:令和2年度 第2回工事担任者試験 実施結果

資格の種類 合格率
AI・DD総合種 28.4%
AI 第一種 32.9%
第二種 18.7%
第三種 41.6%
DD 第一種 28.7%
第二種 16.9%
第三種 47.1%


※その他の詳細は工事担任者の下記URLのホームページをご確認ください。
 https://www.shiken.dekyo.or.jp/charge/index.html

この資格試験を合格すると、どんなことができるようになれるのか?またどんな業種につくことができるのは、工事担任者で出来ることに記載しています。

電気工事士

難易度:普通
種類:国家試験(経済産業省関係、電気工事士法)

願書受付期間: 第一種:7月 第二種:3月~4月・6月
試験日程:第一種:筆記:10月、技能:12月
     第二種:筆記:6月・9月、技能:7月・12月
試験実施地:
 第二種(上期) 各都道府県ごとに1カ所以上
 第一種・第二種(下期) 北海道・東北・関東・中部・北陸・関西・中国・四国・九州・沖縄ごとに1カ所以上

等級:
 第一種「第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工事」
  (※第一種は合格後に3年または5年以上の実務を経て免状が交付)
 第二種「一般住宅や店舗などの600ボルト以下受電する設備の工事」
受験資格:不問

申請方法:郵便による申請とインターネットによる申請
受験料:
 第一種 郵便:11,300円、ネット:10,900円
 第二種 郵便:9,600円、ネット:9,300円

合格率:令和2年度 電気工事士試験の結果
 第一種 筆記:52.0% 実技:%(R3.1.29発表)
 第二種 筆記:62.1% 実技:67.8%

※詳細は電気技術者試験センターの下記URLのホームページをご確認ください。
http://www.shiken.or.jp/

この資格試験を合格すると、どんなことができるようになれるのか?またどんな業種につくことができるのは、電気工事士で出来ることに記載しています。

ITパスポート試験

難易度:簡単
種類:国家試験(経済産業省関係、情報処理の促進に関する法律)

願書受付期間: 随時
試験日程:随時
試験実施地:全国主要都市

等級:なし
 
受験資格:不問

申請方法:インターネットによる申請
受験料:5,700円

合格率:令和2年 11月度 ITパスポート試験 試験結果
 55.8%(社会人 61.2%、学生 46.2%)

※詳細は情報処理推進機構 ITパスポート試験の下記URLのホームページをご確認ください。
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/

危険物取扱者

難易度:甲種-普通、乙種・丙種-簡単
種類:国家試験(総務省関係、消防法)

願書受付期間: 都道府県により異なる
試験日程:都道府県および種類により異なる

試験実施地:都道府県が指定

危険物取扱者免状の種類: 

免状の種類 取扱いのできる危険物
甲種 全種類の危険物。
乙種 第1類 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、臭素酸塩類、硝酸塩類、よう素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類などの酸化性固体。
第2類 硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、引火性固体などの可燃性固体
第3類 カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りんなどの自然発火性物質及び禁水性物質
第4類 ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類などの引火性液体。
第5類 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、アゾ化合物、ヒドロキシルアミンなどの自己反応性物質
第6類 過塩素酸、過酸化水素、硝酸、ハロゲン間化合物などの酸化性液体
丙種 ガソリン、灯油、軽油、重油など。

試験内容:
・危険物に関する法令
・燃焼及び消火に関する基礎知識
・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法

受験資格:

免状の種類 対象者 大学等及び資格詳細 証明書類
甲種 (1)大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校、高等学校の専攻科、中等教育学校の専攻科、防衛大学校、職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校、外国に所在する大学等 卒業証明書
又は
卒業証書
(学科等の名称
が明記されて
いるもの)
(2)大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者 大学、短期大学、高等専門学校(高等専門学校にあっては専門科目に限る)、大学院、専修学校、大学、短期大学、高等専門学校の専攻科、防衛大学校、防衛医科大学校、水産大学校、海上保安大学校、気象大学校、職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校、外国に所在する大学等 単位修得証明書
又は
成績証明書
(修得単位が明記
されているもの)
(3)乙種危険物取扱者免状を有する者 乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等における危険物取扱いの実務経験が2年以上の者 乙種危険物取扱者
免状 及び
乙種危険物取扱
実務経験証明書
次の4種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者
・第1類又は第6類
・第2類又は第4類
・第3類
・第5類
乙種危険物
取扱者免状
(4)修士・博士の学位を有する者 修士、博士の学位を授与された者で、化学に関する事項を専攻したもの(外国の同学位も含む。) 学位記等
(専攻等の名称が
明記されているもの)
乙種・丙種 不問

申請方法:書面申請と電子申請
受験料:甲種 6,600円、乙種 4,600円、丙種 3,700円

合格率:令和2年度 危険物取扱者試験の結果

免状の種類 合格率
甲種 45.3%
乙種 第1類 70.7%
第2類 69.6%
第3類 70.1%
第4類 42.3%
第5類 69.6%
第6類 67.0%
丙種 57.1%


※詳細は消防試験研究センターの下記URLのホームページをご確認ください。
http://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/index.html

陸上無線技術士

難易度:難関
種類:国家試験(総務省関係、電波法)

願書受付期間:11月、5月
試験日程:1月、7月
試験実施地:東京・札幌・仙台・長野・金沢・名古屋・大阪・舞鶴(1月2級のみ)・広島・松山・三豊・熊本・福岡(7月のみ)・那覇

等級:

等級 内容
第一級 放送局、電気通信業務用等の固定局、無線測位局等すべての無線局の無線設備の技術的な操作。
第二級 放送局、電気通信業務用等の固定局、無線測位局等すべての無線局の無線設備の技術的な操作。(テレビジョン放送局を除く無線局の空中線電力2kW以下のもの、テレビジョン放送局の空中線電力500W以下のもの)

受験資格:不問

申請方法:郵便による申請とインターネットによる申請

受験料:
 第一級:13,962円、第二級:11,862円

合格率:2019年 試験の結果 31.9%

※詳細は日本無線協会の下記URLのホームページをご確認ください。
http://www.nichimu.or.jp/

民間試験(検定試験)

デジタル技術検定

難易度:1級-難関、2級-普通、3級-簡単、4級-超簡単
種類:公的試験(文部科学省関係)

願書受付期間:4月下旬~5月下旬・9月下旬~10月下旬
試験日程:6月と11月(第4週目の日曜日)※1級は11月のみ
試験実施地:全国主要都市

等級:

等級 内容
1級 情報 情報処理理論、情報通信理論及びプログラミング方法論をよく理解し、情報処理システムの構成法、試験、運用法及びプログラム開発をよく修得しているとともに、実務の指導ができる。
制御 論理設計理論、自動制御理論、情報処理理論及び情報通信理論をよく理解し、制御システムの動作、設計、試験及び運用法をよく修得しているとともに、実務の指導ができる。
2級 情報 やや高級な情報処理理論及び情報通信理論を理解し、各種情報処理装置の動作原理及び利用技術を知り、設計、運用、応用などの実務ができる。
制御 やや高級な論理設計理論及び自動制御理論を理解し、計算機、計算機応用装置の動作原理及び利用技術を知り、設計、試験、運用などの実務ができる。
3級 基礎的な論理設計及び情報処理の知識を持ち、情報処理装置及び制御装置の基本原理並びに簡単な応用技術の原理を理解し、これを利用することができる。
4級 初歩的なディジタル技術及び情報処理の知識を持ち、簡単な計算機応用機器及び制御用機器の動作を理解し、これを操作することができる。

受験資格:不問

申請方法:願書請求による申請

受験料:
 1級 6,500円、2級 5,000円、3級 4,000円、4級 3,000円


合格率:第61回 ディジタル技術検定 試験結果

等級 合格率
1級 情報 32%
制御 21%
2級 情報 66%
制御 73%
3級 87%
4級 71%



※詳細は国際文化カレッジ ディジタル技術検定の下記URLのホームページをご確認ください。
https://digital-kentei.com/index.html